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ツイッターで140文字からこぼれた妄言を垂れ流します。@rapple001
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詭弁入門:第三回 前後即因果(post hoc ergo prompter hoc)
 前後即因果の誤謬とは、ある事象と別の事象の因果関係を、その前後関係のみを捉えて、「前の事象が原因となって後の事象が起きた」と判断する誤謬(因果の誤謬)のことをいう。
 基本的には誤謬、すなわち論理的な誤りなのだが、詭弁として応用することもできる。


 具体例を挙げよう。ある野球チームが、新しい監督を迎えた年から成績を上げ、優勝したとする。我々はついつい、「その監督が優秀だったのだろう」と思い込んでしまう。「今までの監督が無能だったのだ」とすら思うかもしれない。しかし、本当に新しい監督が「原因」で、優勝という「結果」がもたらされたかどうかは、その監督がとった戦略、起用法、様々な観点から分析しなければ、実際のところはわからないはずだ。もしかすると、前任の監督のトレーニング方法が非常に優れており、その結果が翌年になってやっと現れたのかもしれない。あるいは、そのチームが強くなったわけでは全くなく、単純にそれ以外のチームの調子が著しく悪かっただけかもしれない。
 この誤謬はありとあらゆる場面に遍在している。ある結果が生じたとき、その直前に起こった変化を原因であると推測する機能は、遺伝子レベルで人間に刷り込まれているようにすら思える。実際、なにもないところに因果関係を推測することは非常に難しいので、直前の変化を真っ先に疑うという戦略自体は、適応的なものであるといえる。しかし、それを本当の因果関係であると思い込んでしまうのは危険だ。この誤謬の厄介なところは、「単なる相関を因果と誤認する」ことだけではなく、「そもそも相関すらないところに因果を認めてしまう」ところにある。

使用法

 この誤謬を活用するためには、いくつかの条件が揃う必要があるため、自分の都合のいいように用いるのには工夫が必要である。なんらかのいい結果が存在し、それが自分の手柄(自分が原因の結果である)と思い込ませる必要があるのだ。
 たとえば、先週紹介した、「虫めがね式の詭弁(Cherry picking)」を併用して、「都合のいい結果」が生じているように見せた上で、その結果があたかも自分の手柄であるかのように振る舞うといいだろう。

対策

 因果関係の判断は慎重に行う、という点に尽きる。
 先述の野球チームの成績くらいならかわいいものだが、これが企業の経営陣、政治のトップだったらどうだろうか。在任中に、目に見える「数字」を出すために、コストカットばかりに執心し、会社の体力を削って去っていく無能なトップを見たことはないだろうか。「彼が就任してから数字が良くなった」「彼は優秀に違いない」という思い込みは、時に非常に危険なのだ。
 まぁぶっちゃけ、前後関係があるから因果関係がある、という思い込みは「祈祷師が祈ったから雨が降った」という、原始人レベルの認知なので、そろそろ人類様には進化してほしいところなのだが
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