ツイッターで140文字からこぼれた妄言を垂れ流します。@rapple001
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2025.04.29 Tuesday
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175条を議論するにあたって知っておくべき基礎知識
2019.11.19 Tuesday
昨日、とある国会議員が、175条の改正に向けて動き出したとのツイート(当該ツイートは下に貼ってあります)を目にし、いくつかどうしてもツッコみたい点があったので、本稿では、175条について議論する上で必要な知識を解説したのち、その175条改正のアイディアのどこがおかしかったのかを検討してみたいと思います。
175条とはなにか?
刑法175条に規定されるわいせつ物頒布等罪は、以下のような犯罪です。
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。
本罪の客体は、わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体、その他の物をいい、これらを総称して「わいせつ物」といいます。
判例によれば、わいせつとは「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」ものとされています。しかし、この「わいせつ3要素説」といわれる定義は、「善良な性的道徳概念」といった極めて道徳的な概念を含むのみならず、規範的要素を多く含むためにその限界が極めて不明確であるという問題がかねてより指摘されています。また、憲法21条との関係においても、単なる性道徳では、憲法上保護される表現の自由の制約原理足りえないとして、175条違憲説も古くより根強く主張されています。(刑法学者からの違憲論として、曽根威彦『表現の自由と刑事規制』(1985年)162頁以下など)
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詭弁入門:第四回 悪魔の二分法(False dilemma)
2018.08.06 Monday
悪魔の二分法とは、実際には他にも選択肢があるのに、二つの選択肢しかないように見せかけるテクニックのことを指す。これは、非論理的誤謬である「誤った二分法」の応用テクニックである。
詭弁論理学の著者である野崎昭弘は、このテクニックを、「詭弁術」ではなく「強弁術」に分類している。この理由については、後述することにする。
詭弁入門:第三回 前後即因果(post hoc ergo prompter hoc)
2018.07.22 Sunday
前後即因果の誤謬とは、ある事象と別の事象の因果関係を、その前後関係のみを捉えて、「前の事象が原因となって後の事象が起きた」と判断する誤謬(因果の誤謬)のことをいう。
基本的には誤謬、すなわち論理的な誤りなのだが、詭弁として応用することもできる。
詭弁入門:第二回 虫めがね式詭弁(Cherry picking)
2018.07.16 Monday
これから紹介していく詭弁戦略の名称は、筆者が勝手に付けたものも多く、正式なものではないことにご留意いただきたい。
ちなみに、虫めがね式詭弁の語は、阿刀田高『詭弁の話術』の命名によるものである。
虫めがね式詭弁とは、数多存在する事例のなかから、都合のいい事例だけを選び出し、あたかも自分の論理に正当性があるかのように見せかけるテクニックである。
このテクニックは、早まった一般化という誤謬を利用している。
詭弁入門:第一回 論理的に正しい詭弁 ー協調の原則の逆用ー
2018.07.08 Sunday
詭弁とは、騙したり、ごまかしたり、相手を言いくるめるための議論のテクニックをいう。
正確に言葉の意味をたどれば、「詭弁という言葉は、古代ギリシャの時代ソフィストと呼ばれる…」と歴史の説明から始めることになるが、それではいつまでたっても本題に入らないので、このシリーズでは詭弁をこのように定義し先に進むことにする。詭弁の歴史が気になる方は、野崎昭弘『詭弁論理学』という名著があるのでご参照ください(下にリンクがあります)。
正確に言葉の意味をたどれば、「詭弁という言葉は、古代ギリシャの時代ソフィストと呼ばれる…」と歴史の説明から始めることになるが、それではいつまでたっても本題に入らないので、このシリーズでは詭弁をこのように定義し先に進むことにする。詭弁の歴史が気になる方は、野崎昭弘『詭弁論理学』という名著があるのでご参照ください(下にリンクがあります)。
一言に詭弁といっても、いくつかのパターンに分類できる。まず、大きな括りとしては、「その言明が論理的に正しいか、誤りか」という分類が可能だ。前者の詭弁が「嘘を信じ込ませる」技法であるとすれば、後者は「本当のことから嘘を生み出す」技法である。
今回は、後者の「論理的に正しい詭弁」について見ていくことにしたい。